「献体」とは
献体とは、医学・歯学の大学での解剖学の教育・研究のために、
自身の遺体を無条件・無報酬にて提供することです。
生前から、献体したい大学や団体に登録をしておき、
亡くなられた時に、ご家族や関係者がそのご遺志にしたがってご遺体を提供し、
献体が行われます。
献体の同意
生前に献体の登録をしていても、
実際にそのご遺志を実行できるのはご家族(肉親)であり、
申し込み本人ではありません。
そのため、ご家族が反対していれば、献体は行われず、
ご遺志が生かされないことになりかねません。
献体の登録をする際には、
ご家族や身近な方に、理解をしていただけるように、
想いを伝えておくことが必要です。
葬儀は行えるの?
献体後は、火葬をされてご遺骨となってお戻りになりますが、
それまでに、通常は1~2年、長い場合ですと3年以上かかる場合もあります。
(移送費用や火葬費用は、大学が負担します。)
献体の前に、お通夜やご葬儀を行うことは、何ら支障はありませんが、
大学で適切な防腐処理を行う必要があるため、
お亡くなりになられてから献体されるまでの時間は、48時間以内が目安とされています。
そのため、お亡くなりになられた時間にもよりますが、
亡くなられた当日にお通夜、翌日にご葬儀を行い、
そのまま大学に搬送されるといった流れになることが多いので、
献体をされない場合のご葬儀と比べると、時間に余裕がありません。
事前にエンディングノートを書き記しておいたり、
周囲の方との意思の疎通も肝要になってまいります。
献体を行ってから、ご遺体のない状態で、
遺影や位牌を中心としたご葬儀を行う方法もあります。
48時間という時間の制約はありませんが、
故人様と対面してお別れがしたい、というご希望に沿えないといった部分もあります。
また、ご遺骨がお戻りになってから、ご葬儀を行うこともありますし、
ご葬儀が済んでいる場合は、納骨をする際にご法要を行うことも多いようです。
大切な想いを遺すために
たとえご本人の遺志といえども、
ご遺骨がいつ戻るかわからなかったり、
大切な方が解剖されてしまう、ということに拒絶感を覚える方もいます。
まずはご家族や、身近な方とよくお話をされて、
献体や、ご葬儀の行い方についてなど、
皆様の想いも考慮しながらご相談を重ねていくことが大切です。
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