喪服の色とマナー・後編
ご葬儀の際に着用する喪服。
その喪服の色や、服装のマナーについて、
前・後編に分けて、ご案内しています。
後編の今回は、喪服の着用マナーについてです。
喪服は、「喪に服す」遺族だけが着用していました。
しかし戦後に葬儀が社会的な儀礼として位置付けられ、
また冠婚葬祭マナーに関するノウハウが急速に普及したことから、
「参列者も着用するべき」という意識が広まったと考えられています。
遺族の服装
本来、喪服は葬儀・告別式の場だけ着用し、
通夜には略喪服(礼服ではない地味めな服装)を着用するものとされていましたが、
通夜へ参列される人が多くなり、喪服を着用することが一般的になったため、
遺族も通夜・葬儀とも喪服を着用することがほとんどです。
しかし本来の通夜は、故人の枕元で遺族が夜通し生前と同じように時を共有することですから、
家族だけのこじんまりとした通夜なら、喪服を着る必要はないと言えるでしょう。
【男性】
・洋装の場合…
正装はモーニングコートになりますが、
黒のフォーマルスーツが一般的で、ワイシャツは白。
ネクタイは黒無地で、タイピンは付けません。
ベルト、靴下、靴などの小物類も黒にします。
・和装の場合…
羽二重などの染め抜き5つ紋付の着物と羽織、
仙台平の袴、帯は角帯を着用します。
※羽二重(はぶたえ)…経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を交互に交差させる織り方の織物の一種。
※染め抜き…下生地の白で柄や文字を浮かび上がらせる技法。紋の付け方の中では最も格式が高いとされている。
※5つ紋付…背縫いの中央に入る「背紋」、両外袖に入る「袖紋」と両胸元に入る「抱き紋」の計5つの紋。
※仙台平(せんだいひら)…宮城県仙台市で作られる絹織物。袴地として最高峰とされる。
※角帯(かくおび)…二つ折りで固く仕立ててある、男性用の帯。礼装の袴の下に締めることが多い。
【女性】
・洋装の場合…
黒のフォーマルスーツ(ワンピース)を着用。
夏でも肌の露出はできるだけ控えめになるように心がけます。
服の素材、バッグや靴も、光沢のない黒で統一します。
アクセサリーは結婚指輪以外は外しますが、つける場合は真珠の一連ネックレス程度にします。
・和装の場合…
黒無地染め抜き5つ紋付に黒無地の丸帯が正式です。
生地は羽二重か一越ちりめん、夏は平絽か、紗になります。
※丸帯…幅広く織った帯地を縦二つに折って、芯を入れて仕立てた帯で、礼服で最も格式の高い帯。
※一越(ひとこし)ちりめん…経糸には撚りをかけず、撚りをかけた緯糸を2種類使って1本ずつ交互に織ったちりめん(絹織物)の高級品。
※平絽(ひらろ)…経糸・緯糸ともに撚りのない平糸を使い、絽目という隙間があることによって風通しがよい絹織物。
※紗(しゃ)…緯糸1本ごとに経糸2本をからませ、経糸と経糸とをよじらせるので、その分、緯糸同士が密着できずにすきまができ、絽よりも涼感と、通気性の高さがある。
参列する時の服装
現在は参列者も喪服を着ることが一般的になりましたが、
昔は、喪服を着るのは遺族のみだったことから、
今でも、遺族以外は地味な服装であれば構わないと考える方や、
通夜は、不幸を予測していた印象を与えないために平服で伺うべきとする方もいます。
【男性】
・洋装の場合…
黒のフォーマルスーツに黒ネクタイを着用。ワイシャツは白。
上着はシングルでもダブルでも構いません。
ベルト、靴下、靴などの小物類も黒にします。
【女性】
・洋装の場合…
黒のフォーマルスーツ(ワンピース)、
もしくは地味な色のスーツやワンピースを着用。
露出の高いデザインは避け、袖丈は長袖から5分袖、
スカートは膝からふくらはぎが上品です。
バッグ、靴は光沢のない黒で統一します。
アクセサリーは結婚指輪以外は外しますが、つける場合は真珠の一連ネックレス程度にします。
ストッキングは薄手の黒が正式ですが、
通夜は、「突然のことで、とりあえず駆け付けた」という意味合いを持たせるために、
あえて「肌色にする方が良い」とする方もいます。
靴はシンプルな黒のパンプスで、高いヒールのものやエナメル素材、
素足の見えるミュールやサンダルは避けます。
・和装の場合…
寒色系の色無地に喪帯を着用し、羽織は1つ紋の黒を選びます。
〇子供の場合
制服があれば制服を着用します。
制服が無い場合は、黒・紺・グレーなどの地味な服を選びます。
女の子がワンピースなどを着る場合は、
フリルやリボンなどが付いていないものを選んだ方がよいでしょう。
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